研究プロジェクト
科学研究費 基盤研究(A)
人口減少社会における格差拡大の進行過程と
その社会的帰結に関する研究
2024年度〜2027年度(研究代表者 浅川達人)
写真:研究代表者 著書
日本の総人口は2008年にピークに達し、その後は人口減少の局面を迎えた。
1980年代以降、急速に経済的・社会的格差が拡大してきたが、この格差拡大は個人間・世帯間格差の拡大とともに、地域間格差の拡大と都市空間構造の変化を伴っていた。
こうした変化は、大都市の都心部に新たな富裕地域を生み出した。
一方、大都市の周辺地域や地方都市では、産業の衰退、産業構造の変化による非正規労働者の増加、極端な高齢化の進行などと関連しながら貧困地域が形成され、このことが今後、多くの社会問題を発生させると予想される。
本研究は、東京圏、名古屋圏、京阪神圏の三つの大都市圏を内包する地域を対象に、都市社会学の社会地区分析の方法と階級・社会階層研究の方法を統合することにより、格差拡大の進行過程を都市空間構造と階級・社会階層構造の両面から解明するとともに、これが日本社会に生み出しつつある諸問題の構造を明らかにし、問題解決の基礎を提供しようとするものである。